
もの忘れ・認知症
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もの忘れ・認知症
もの忘れや認知症は、高齢者を中心に増加している病気ですが、どちらも脳の働きに関わる問題です。もの忘れは、通常の加齢に伴う一時的な記憶の低下を指しますが、認知症はその範囲を超えて、日常生活に支障をきたすほどの記憶障害や認知機能の低下を伴います。認知症は、進行性の病気であり、時間が経つにつれて症状が悪化することが特徴です。認知症にはいくつかの種類があり、その中でもアルツハイマー型認知症が最も一般的です。認知症を早期に発見し、適切な治療を行うことが、症状の進行を遅らせたり、生活の質を向上させたりするために重要です。
認知症の原因は多岐にわたります。以下の要因が関与していると考えられています。
加齢に伴って、誰でも記憶力が衰えることがあります。例えば、名前や物の場所を忘れたり、短期的な記憶が減退することがよくあります。しかし、加齢によるもの忘れは、日常生活に支障をきたすほどではなく、本人の努力や工夫で改善可能なことが多いです。
アルツハイマー型認知症は、認知症の中で最も多いタイプで、脳内にアミロイド斑(不溶性のたんぱく質の塊)が蓄積し、神経細胞が破壊されることで発症します。この過程が進行することで、記憶や判断力、コミュニケーション能力などが低下します。アルツハイマー型認知症は、遺伝的要因や環境的な要因、生活習慣が複雑に関係しているとされています。
血管性認知症は、脳の血管が破れたり詰まったりして血流が途絶えることで脳の一部がダメージを受け、認知機能が低下する病気です。脳卒中(脳梗塞や脳出血)や、動脈硬化、高血圧、糖尿病などが原因となりやすいです。血管性認知症は、発症のタイミングが突然であることが特徴です。
レビー小体型認知症は、脳内にレビー小体と呼ばれる異常なたんぱく質の塊が蓄積することによって引き起こされます。アルツハイマー型認知症や血管性認知症とは異なり、認知症とともに幻視や運動症状(パーキンソン症状)が現れることが特徴です。
前頭側頭型認知症は、前頭葉や側頭葉に障害が生じることで、人格や社会的行動が変化する病気です。記憶障害が目立つわけではなく、感情の起伏が大きくなったり、衝動的な行動を取ることが多くなります。若年性認知症としても知られ、50代や60代で発症することもあります。
その他にも、頭部外傷、感染症、代謝異常、ホルモンの不均衡、薬物の副作用などが原因となって認知症が引き起こされることもあります。また、うつ病や精神的なストレスも一時的な記憶障害を引き起こすことがあります。
もの忘れや認知症の症状は、軽度のものから重度のものまで幅広く、次第に進行する場合が多いです。症状には個人差がありますが、以下のような特徴的な症状が見られます。
認知症は進行性の病気であるため、早期の発見と適切な治療が重要です。現代の医学では、認知症の進行を遅らせるための薬物療法や、症状に応じたリハビリテーション、介護支援が提供されています。
認知症に対しては、症状を軽減するための薬物がいくつかあります。アルツハイマー型認知症においては、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジルなど)やNMDA受容体拮抗薬(メマンチン)などが用いられます。これらの薬は、脳の神経伝達物質のバランスを調整し、症状の進行を遅らせることが期待されます。
認知症が進行していく中で、患者が自立して生活できるように支援するために、リハビリテーションが重要です。生活リハビリテーションでは、日常生活の訓練や、簡単な作業を通して記憶力や認知機能を維持します。また、認知症患者の生活環境を整えるため、介護者へのサポートも大切です。
認知症患者の家族にとっては、患者の介護や生活支援が大きな負担となります。家族向けのカウンセリングや、介護支援サービスを利用することが重要です。また、家族が認知症に関する知識を深め、患者を理解し、適切な対応ができるようになることが、患者の生活の質を保つために不可欠です。
もの忘れや認知症は、日常生活に大きな影響を与える可能性がありますが、早期に発見し、適切な治療を行うことで症状の進行を遅らせ、生活の質を維持することができます。気になる症状があれば、早期に専門医に相談し、適切なサポートを受けることが大切です。
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